田辺三菱の糖尿病治療剤(カナグルやテネリア)の広告です。これは、近い将来、配合剤を発売する時のその布石としての広告だと思われます。
この数年間で、日本の2型糖尿病の治療は様変わりしました。SU剤(スルホニル系)に成り代わって、DPP-4阻害剤(ジペプチジルペプチダーゼ)が処方率で首位となりました。世界標準薬であるBG剤(ビグアナイド系)のメトホルミンは、国内では勢力を伸ばし切れてません。SGLT2阻害薬は、直接的なインスリン分泌促進作用を持たず、体重減少やインスリン抵抗性の改善も期待できることが特徴で、肥満度が高い欧米では高評価ですが、日本では圧倒的な“DPP-4阻害薬”の勢力に押されています。2016年の資料によれば、国内のSGLT2阻害薬の処方率は処方箋ベースで2〜3%程度だということです。多数勢力のDPP-4阻害剤の中でも、週1回タイプのDPP-4阻害薬という新薬も登場しました。第一選択薬の座を巡る糖尿病治療薬の闘いは、まだまだ続いています。