ロコアテープ/変形性関節症の痛みに

▼ロコアテープとは?

「ロコアテープ」は、関節の痛みに有効な湿布薬です。変形性関節症に処方されます。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される経皮吸収型鎮痛消炎剤です。

「ロコアテープ」の鎮痛成分(エスフルルビプロフェン)が皮膚から患部に浸透して、腫れや痛みを和らげます。ただし、対症療法としての薬ですので、痛みの原因そのものは根治できません。

▼変形性関節症とは?

変形性関節症とは、関節にある軟骨の変形や摩耗によって関節の動きが悪化する病気です。膝関節や股関節、手指関節、脊椎または腰椎などで症状が見られます。約30%の人は疼痛も伴います。

▼ロコアテープの特徴

「ロコアテープ」は、関節の痛みに対して使用される治療薬で、鎮痛作用を有する“エスフルルビプロフェン”が皮膚から関節内に入り鎮痛作用を発揮します。伸縮性のあるテープ剤というのが最大の特徴で、関節など可動部に貼りやすいというメリットがあります。

消炎・鎮痛作用が強く、経皮吸収性と組織移行性の向上により、有効成分が関節に届きやすくなっています。身体に浸透する薬の量は「ロコアテープ」2枚で「セレコックス」などの飲み薬と同程度の効果と考えられています。つまり、「ロキソニン」などとの併用は避けるべきで、副作用は経口剤と同じような注意が必要です。

なお、「ロコアテープ」は体内からの成分消失が比較的早いので、副作用が発現した場合には、テープを剥がすことで速やかな対応が可能です。

▼ロコアテープの副作用と注意点

「ロコアテープ」は効果が強いので、1日に同時に2枚を超えて貼付しないでください(2回分を一度に使用したり、1日に2枚を超えて使ってはいけません)。

貼付した箇所が赤くなったり、痒くなる場合があります。皮膚に異常が出たら、医師や薬剤師に相談してください。副作用は比較的少ない薬ですが、稀に胃腸の調子が悪くなることがあります。長期間使用する場合は、胃潰瘍や胃腸出血に注意しましょう。喘息患者は、発作の誘発につながる恐れがあります。

主な副作用 発赤、発疹、そう痒感、刺激感
その他の副作用 腹部不快感、吐き気、腹痛、胃炎、下痢

▼痛みの種類

痛みには大きく分けて2種類の痛みがあります。怪我や打撲などの“炎症の痛み(急性疼痛)”と神経が圧迫されたり、何らかの神経障害によって起こる“神経の痛み(慢性疼痛)”です。神経の痛み(慢性疼痛)は、組織が治癒しても更に継続する痛みとされています。

国内では、2,200万人が痛みによる生活の質(QOL)の低下に悩まされており、社会生活に支障をきたしていると考えられています。日本の疼痛治療では長年、「セレコックス」などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が汎用されてきましたが、近年は医療用麻薬とよく似た理屈で作用する薬(中毒性はない)が登場し、腰痛症、変形性関節症、関節リウマチ、帯状疱疹後神経痛などのさまざまな非がん性慢性疼痛症状に対して使われています。

▼縮小傾向の鎮痛消炎貼付剤市場

鎮痛消炎外用貼付剤の市場規模は、薬価ベースで1,500億円(2017年度)でした。2013年度の1,890億円をピークに縮小傾向が続いています。ジェネリックに置き換わらない品目の薬価の“特例引き下げ”や“70枚処方制限”の導入が主な要因と言われています。

▼その他の鎮痛消炎剤





▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、ウォーキングを愉しむ女性。柔らかい芝生が、関節痛をやわらげる効果を表現しています。“移動能力”“運動器”という意味の英語に【ロコモーション】という言葉があり、製品名にひっかけた内容となっています。

一般名:エスフルルビプロフェン・ハッカ油
製品名:ロコアテープ
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)/鎮痛消炎剤(整形領域)/経皮吸収型鎮痛消炎剤
大正製薬
帝人ファーマ

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