トルリシティ・アテオス/トルリシティとインスリンの違い

これなら、できる
週一回、簡単な操作で、HbA1cを目標へ。
2016年9月投薬期間制限解除

▼トルリシティとは?

「トルリシティ」は、2型糖尿病の注射薬です。糖尿病の注射というとインスリンを想像しがちですが、インスリン代替薬ではありません。「トルリシティ」は身体がインスリンを出すのを助ける薬(GLP-1受容体作動薬)です。

「トルリシティ」はインスリン製剤とその他のすべての糖尿病治療薬との併用が可能ですが、併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあります。また「トルリシティ」単剤としても投与が可能です。

ちなみに「アテオス」とはトルリシティ専用の注射デバイスのことです。“腹に当てて、押す”から「アテオス」と命名されました。あらかじめ薬液1回量が充填されているため、従来の同種品で必要だった“から打ち”が無用で、1回使い切りの優れた注入器です。「グッドデザイン金賞」(経済産業大臣賞)を受賞しています。

▼トルリシティとインスリンの違い

「トルリシティ」は、2型糖尿病に対して使用するデュラグルチド注射薬です。デュラグルチドには、簡単に云うと“インスリン分泌を間接的に増やす効果”があります。インスリンアナログ製剤(アナログは“似せたもの”の意)ではなく、身体がインスリンを出すのを助けるGLP-1アナログ製剤(GLP-1受容体作動薬)というものです。

糖尿病には1型と2型が存在します。1型糖尿病は、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する組織が、主に自己免疫によって壊れてしまっている状態の病気です。インスリンが分泌できないため、血糖が高くなってしまいます。1型糖尿病の患者には、基本的にインスリンそのものを注入して、治療します。1型糖尿病の患者には、インスリン製剤による速やかな治療が必須です。

一方で2型糖尿病は、生活習慣や肥満などによってインスリンの効きが悪くこなることで発症する病気です。インスリン分泌を補助するGLP-1アナログ製剤(GLP-1受容体作動薬)の「トルリシティ」は、2型糖尿病に対して使用します。効果がマイルドなので、治療の初期段階や他の薬と併用して使うことが多い薬です。

2型糖尿病治療では、薬を使う前にまずは食事の改善や運動療法が試されます。そして、食事療法や運動療法を行っても血糖値の改善が見られない場合に、「トルリシティ」のようなインスリンの効果を高める薬を併用して、血糖をコントロールします。糖尿病は食事療法、運動療法、薬事療法の3つが基本ですが、ひとつでも手を抜くと血糖値が悪くなってしまいます。

2型糖尿病においては、“血糖コントロール”“服薬の手間”“生活の質の向上”を考慮した治療が、患者に好循環をもたらすと考えられています。週1回投与で済む「トルリシティ」は、血糖低下効果とシンプルで簡単な自己注射方式で、2型糖尿病患者をサポートします。

▼GLP-1アナログ製剤(GLP-1受容体作動薬)とは?

GLP-1アナログ製剤(GLP-1受容体作動薬)は、日本で流行している“DPP-4阻害薬”と同じインクレチンに関連する製剤ですが、注射剤ということがネックとなり、DPP-4に比べると陽が当たらない道を歩んでいました。しかし、GLP-1受容体作動薬は初期段階の治療からインスリンとの併用まで、守備範囲の広い薬剤です。米国糖尿病学会では、第一選択薬のメトホルミン(「メトグルコ」)で目標血糖値が未達成の場合の追加薬としてGLP-1受容体作動薬を位置づけています。

▼トルリシティの特徴
・週1回投与(生活に合わせて朝昼晩、いつでも注射可能)
・注射器の簡単な操作(3ステップ操作。針の取付、混和、空打も不要)
・空腹時および食後の血糖値を改善
・副作用発現率29.7%(272/917例:承認時)

現場での評価の高い点は、注射デバイスの「アテオス」がとても使いやすいことです。操作が簡単で週1回で済むため、後期高齢者や要介護者でも使用しやすいと言われています。老人ホームなど看護師の人手が足りない場所では、「トルリシティ・アテオス」のような薬剤が重宝されています。在宅で訪問看護師に注射を依頼することも出来ますし、もちろん自己注射も簡単なため、いろいろな状況の患者に使用出来るというメリットがあります。

▼いつ注射を打つのか?

「トルリシティ」はGLP-1製剤のなかでも、週1回の注射なのが大きな特徴です。自分の生活リズムに合わせて、朝昼晩、食前でも食後でも、いつでも注射が可能です(週1回同じ曜日に投与)。1回使い切りで、操作はたった3ステップ。従来品に多かった“薬剤の混和”や“針の取付け”といった手間が省かれています。

▼注射を忘れた場合

「トルリシティ」は週1回、同じ曜日に投与する薬剤です。投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定められた曜日に投与します。次回の投与が3日(72時間)未満の場合は投与せず、次のあらかじめ定められた曜日に投与します。

▼糖尿病とは?

糖尿病には1型と2型が存在します。1型糖尿病は、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する組織が、主に自己免疫によって壊れてしまっている状態の病気です。インスリンが分泌できないため、血糖が高くなってしまいます。1型糖尿病の患者には、基本的にインスリン注射を打って、治療します。「トルリシティ」は注射剤ですがインスリン注射ではありません。1型糖尿病の患者には、インスリン製剤による速やかな治療が必須となるので、「トルリシティ」を投与すべきでないとされています。

一方で2型糖尿病は、生活習慣や肥満などによってインスリンの効きが悪くこなることで発症する病気です。「トルリシティ」は、2型糖尿病に対して使用するデュラグルチド注射薬です。デュラグルチドには、簡単に云うと“インスリン分泌を間接的に増やす効果”があります。

2型糖尿病治療では、薬を使う前にまずは食事の改善や運動療法が試されます。そして、食事療法や運動療法を行っても血糖値の改善が見られない場合に、「トルリシティ」のようなインスリンの効果を高める薬を併用して、血糖をコントロールします。糖尿病は食事療法、運動療法、薬事療法の3つが基本ですが、ひとつでも手を抜くと血糖値が悪くなってしまいます。

2型糖尿病においては、“血糖コントロール”“服薬の手間”“生活の質の向上”を考慮した治療が、患者に好循環をもたらすと考えられています。週1回投与で済む「トルリシティ」は、血糖低下効果とシンプルで簡単な自己注射方式で、2型糖尿病患者をサポートします。

▼トルリシティとバイエッタの違い

エキセナチド注射剤「バイエッタ」は世界初のGLP-1製剤です。「トルリシティ」に比べて半減期が短いので、1日2回、食前に注射が必要です。「トルリシティ」は朝でも夜でも食前でも食後でも、自由なタイミングで注射が可能です(週1回)。「バイエッタ」は単剤投与が不可なので、他の糖尿病薬の併用療法で効果が見られない場合の補助として使われています(「トルリシティ」は単剤投与OK)。「バイエッタ」は重度の腎障害の患者には禁忌で、「トルリシティ」は膵炎の患者には禁忌です。

▼トルリシティとビデュリオンの違い

持続性エキセナチド注射剤「ビデュリオン」は、同じ週1回投与のGLP-1製剤として「トルリシティ」より先行して発売されている注射剤です。デバイスの大きさ、針の取り付けに違いがあります。「ビデュリオン」は針の取り付けが必要で、更に混和(約80回振る)が必要ですが、「トルリシティ」は針があらかじめ装着されていて、薬の成分を混和する必要もないので、そのまま簡単に使えます。また、「ビデュリオン」に比べて「トルリシティ」は針が細く、ほとんど痛みを感じないということです。

保存条件に関しては「ビデュリオン」の方が優秀です。「ビデュリオン」は“冷蔵庫に保管できない場合は4週間以内に使用すること”とされていますが、「トルリシティ」は“冷蔵庫に保管出来ない場合は2週間以内に使用すること”となっています。

▼世界同時開発で好調維持(2018年9月:追記)

日本イーライリリーはの2017年度(1〜12月)の売上高は、前年比7%増の2601億円でした。抗がん剤や抗うつ薬「サインバルタ」などの大型製品の成長が売上に貢献し、主軸のインスリン製剤では、糖尿病領域でシェアトップとなりました。

「トルリシティ」の売上は、前年(68億円)から3倍以上の159億円(2017年度)を達成しています。市場拡大はさらに更新中で、GLP-1受容体作動薬でシェアNo.1に立っています。薬価制度改革では新薬創出加算が適応されませんでしたが、医療現場で高い評価を得ていることが好調の要因です。2018年度の売上は228億円と予測しています。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、医師と向き合う中年男性。週一回で「これなら、できる!」という自信の表情を表しています。専用注射ペンを上から見たような、頭上の緑の球体が印象的です。インクレチンのイメージも重ねているのでしょうか。「トルリシティ」のシンボルマークにも使われています。「トルリシティ」はインスリン注射と違って痛みも少なく、操作も簡単なので、シニアの方にも使いやすいのではと期待されています。

製品名:トルリシティ皮下注0.75mgアテオス
一般名:デュラグルチド(遺伝子組換え融合糖タンパク質)注射液
持続性GLP-1受容体作動薬/グルカゴン様ペプチド-1
大日本住友製薬
イーライリリー
2016年9月投薬期間制限解除

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