第一三共/withコロナ時代の企業広告

最前線で闘っている医療従事者のみなさまに感謝いたします。

▼広告のキービジュアル

第一三共の企業広告です。

広告のキービジュアルは、航空自衛隊の曲技飛行隊「ブルーインパルス」(※)。高度約1200メートル前後を、白煙で線を描きながら飛行した時の様子を、あたたかいイラストで表現。子供を登場させることで、明るい未来や希望を感じさせる構図になっています。

※2020年5月29日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に従事している医療関係者に向けて、敬意や感謝を示すため、ブルーインパルスが東京上空を飛行しました。

ブルーインパルスが都心上空で展示飛行を実施するのは、1964年の東京五輪開会式、2014年の国立競技場の送別会に続いて3回目でしたので、随分話題になりました(私もベランダから見ました)。

コロナ関連の企業広告をwebサイト以外で見たのは、これが初めてかもしれません。“最初にやった”ということのインパクトは大きいですし、第一三共さんに好感を持ちました。マーケティング的に言えば、【先行者の法則】一番最初であることはベターに優る、という良い例です。今後、他の製薬企業も追従しそうですね。

ブルーインパルス:筆者撮影

▼企業広告のメリット

企業広告には、社会貢献活動、文化活動、経営理念などを外へPRしていくことによって“社会的信用を高める”という効果があります。

つまり親密度や信頼度を高めて“自分の会社のファンになってもらう”ということです。いわゆるブランディングです。たとえば、人が同じ性能で同じ価格の製品を選ぶ場合、「環境に配慮している」とか「誠実で信頼できる」といった“自分が付き合える企業かどうか”で差をつけるからです。

企業広告は企業のイメージアップを図ることで、結果として自社製品の売上拡大に寄与することを狙っていますが、メリットはそれだけではありません。企業広告の効果は、例えば「あの会社だったら、働いてもいいな」といった優秀な人材の確保や「世間から立派な会社だと思われているし、自分も見合うように頑張らなくちゃ」といった従業員の意識にも充分な効果を発揮すると言われています。機械メーカーの村田製作所が、「あんたの会社、TVで見たわ〜」と盆と正月に実家へ帰省する社員が家族に認められるためにTVコマーシャルを流した、というのはあまりにも有名な逸話です。

企業広告はイメージの向上に繋がるほかに、【参入障壁】を築くことができるので、大きな組織ほど優先的に取り組みたい施策となります。資本力がないメーカーは、企業広告のコストを敬遠して対応が遅れがちになります。例えば、“社会貢献活動には興味のない金儲け主義のメーカー”というレッテルを貼られてしまい、競争力が大きく低下する可能性があります。

体力のあるリーダー企業は、こういった企業理念を真っ先に表明することで、“社会貢献活動に前向きなメーカー”という評価を得て、ライバルメーカーのイメージを相対的に低下させることができます。つまり、企業広告というものは費用がかかっても、長い目で見た場合には得策となるのです。

関連記事

カテゴリー

ピックアップ

  1. アッヴィ/企業広告

  2. バイエル/アスピリンを世に送り出した老舗ブランド

  3. シタラビン/癌細胞を抑制する点滴注射液

  4. メインテート/メインテートとアーチストの違い

スポンサードリンク

コラム

  1. 不適切な広告事例

    先日、厚労省が「医療用医薬品の広告活動監視モニター事業報告書」を公表しました。

人気の記事

  1. 日本の高血圧治療に新しい選択肢。ノルバスクは、1日10mgまでの処方が可能になりました。
  2. 慢性腰痛症に伴う疼痛から完全に逃れることはできないかもしれないが、抜け出す手伝いはできる。
スポンサードリンク