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▼ヤーボイとは?
「ヤーボイ」は、“免疫チェックポイント阻害薬”と呼ばれる、がん細胞への攻撃を助ける抗癌剤(抗悪性腫瘍剤)です。
主に手術による治療が難しい悪性黒色腫の患者が対象の分子標的治療薬のひとつで、遺伝子を組み換えた“ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体”です。「ヤーボイ」がCTLA-4に結合することで免疫の働きのブレーキが解除され、患者自身の免疫機能を活性化させます。
「ヤーボイ」は、「オプジーボ」との併用療法にも使われています。2種類の免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせることで、癌に対する攻撃力をより高め、場合によっては、さらに効果的な治療が期待できます。
▼がん免疫療法とは?
従来の癌の治療は、手術、放射線療法、化学療法が3本柱と呼ばれてきました。既存の治療法は、直接癌を標的にした治療法です。一方、がん免疫療法は、薬剤が直接癌細胞を攻撃するものではなく、もともと身体に備わっている患者自身の【免疫】の力を利用して、癌細胞への攻撃力を高める治療法です。
「オプジーボ」が登場するまでは、免疫療法で癌の治療効果を上げた例は少なく、世界中の専門医は、免疫療法で癌が治るとは本気で考えていませんでした。しかし、今までになかった抗がん剤「オプジーボ」の登場によって、これまで治療の難しかった末期癌でも長期的な治療効果のある事例や完治する事例が生まれました。免疫を活性化させるという方法によって、免疫療法の新たな道を切り拓いたのが「オプジーボ」なのです。
▼分子標的薬とは?
分子標的薬とは、細胞の表面にある物質や遺伝子を標的として攻撃する薬のことです。
ほとんどの抗がん剤は、投与すると癌細胞だけでなく、同時に正常な細胞も攻撃してしまうので、重い副作用を発現させてしまいます。
近年、癌治療の研究が進み、がん細胞が増殖したり転移したりするのは、遺伝子の異常で出来た物質が原因であることが判明しました。そして、身体にとって悪い働きをする物質の活動だけを抑えることができるなら、がん細胞の増殖や転移が抑えられると考えました。こうして開発されたのが【分子標的薬】と呼ばれる薬です。
分子標的薬は、分子レベルでがん細胞の特徴を認識し、悪さをする特定の分子だけを狙い撃ちにするので、正常な細胞へのダメージが少ないことが特徴です。従来の抗がん剤に比べると、副作用がずっと少なく、患者の負担が軽減されています。
▼抗体医薬とは?
抗体医薬とは、免疫反応が起こるタンパク質(抗体)を人為的に造ったもので、抗体を利用して標的を攻撃する医薬品のことです。遺伝子組換え技術などを応用して、病気に関連する分子だけに結合する抗体を作製します。
抗体医薬はがん細胞にある標的(抗原)にくっつき、攻撃担当の免疫細胞を呼び寄せて標的を殺傷します。標的が限定されるので副作用が軽い(他の細胞に影響を与えにくい)という特徴があります。しかし、効力が充分とは言えず、効果を高めるために様々な工夫が試みられています。
▼遺伝子組換え技術とは
遺伝子組換え技術は、遺伝子を細胞に導入し、その特性を発現させる技術のことです。ヒントになったのは、自然界で起こるウイルス感染です。ウイルスが細胞に感染すると、“自分の遺伝子を宿主の細胞に注入する”という現象が起こります。この現象を参考に、その生物が持っていない特性を持たせるため、別の生物から取り出した遺伝子を組み込むことに成功しました。現在、遺伝子組換え技術は有益な物質を大量に生産したり、作物や家畜の改良などにも用いられています。
最初の遺伝子組み換え技術による医薬品は、ヒトのインスリンで、米国で1982年に承認されました。1986年には最初のワクチンである「B型肝炎ワクチン」が発売されていますが、それ以降、たくさんの遺伝子組み換え製剤が導入されています。糖尿病の治療に必要なインスリンは、これまで豚から取り出したインスリンを使うか、化学反応を駆使して異なる部分のアミノ酸をヒト型へ変換して作っていました。現在では、遺伝子工学によって、ヒトの遺伝子を大腸菌に組み込んで、人間本来のインスリンを安く大量に生産することが可能となっています。
▼抗悪性腫瘍薬(がん)
▼ヤーボイの副作用
「ヤーボイ」による治療中に特に注意が必要な副作用は、炎症性の副作用、薬剤の注入に伴う反応などです。症状に気がついたら、すぐに医師、看護師、薬剤師に相談してください。
消化管障害 | 下痢、便の異常、腹痛、腹部の圧痛、吐気、嘔吐 |
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肝障害 | 肝酵素の増加、黄疸、疲れやすい |
皮膚障害 | かゆみ、発疹、皮膚がむける、水ぶくれ |
神経障害 | 力が入らない、手足にしびれ、めまい、失神、歩きにくい |
内分泌障害 | 疲れやすい、眠くなりやすい、頭痛、低血圧、視野欠損、性欲減、イライラ、物忘れ、電解質異常 |
腎障害 | むくみ、尿赤褐色 |
間質性肺疾患 | 力が入らない、発熱、筋肉痛 |
薬剤の注入に伴う反応 | 投与後24時間以内に発熱、悪寒、ふるえ、かゆみ、発疹、高血圧や低血圧、呼吸困難など |
その他の副作用 | 貧血、リンパ球減少、食欲減退、眼痛、霧視、関節痛 |
▼広告のキービジュアル
広告のキービジュアルは、【いつも通りの毎日を、その手に】というテーマで、QOL向上を表現したビジュアルです。腕時計を人生の流れに見立てて、生活の質の向上を表しています。
自転車は作用機序である“ブレーキをかけず進む”というイメージ、時計の針の位置はモノクローナル抗体の「Y」をイメージしているのかなと思います。
一般名:イピリムマブ(遺伝子組換え)製剤
製品名:ヤーボイ点滴静注液50mg
抗悪性腫瘍剤/ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体
小野薬品工業
ブリストル・マイヤーズ