スキリージ/乾癬、クローン病の治療薬

スキリージのビジュアル

▼スキリージとは?

「スキリージ」は、インターロイキン-23(IL-23)を選択的に阻害する生物学的製剤です。IL-23のp19サブユニットに特異的に結合し、IL-23の活性を抑制するモノクローナル抗体製剤です。 「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」を効能・効果として製造販売承認を取得し、2019年5月に発売されました。主に尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症の治療に使用されています。

2022年9月、既存治療で効果不十分な活動期クローン病に対する寛解導入療法・維持療法の治療薬として追加承認されました。クローン病治療薬としは、国内で唯一の選択的IL-23p19阻害薬で、中等症クローン病患者に対して、粘膜治癒(Ulcer-free)を目指せる薬剤です。

▼IL-23とは?

「IL-23p19」は【炎症性サイトカイン】のひとつで、IL-23p19(サブユニット)は免疫反応で働く樹状細胞から産生されます。乾癬では自己免疫が異常を起こしているため、樹状細胞がIL-23を過剰に産生してしまいます。IL-23はリンパ球を刺激して、乾癬の皮膚や関節の症状を引き起こすIL-17を多く産生させます。つまり、乾癬の発症においてIL-23はIL-17の上の階層で働いています。IL-23の動きを抑えることで、炎症を引き出すさまざまな物質を生み出さないようにします。

▼IL-17Aとは?

「IL-17A」は乾癬の免疫反応に深く関係する【炎症性サイトカイン】のひとつです。IL-17は乾癬の皮膚症状が起きる最終段階で皮膚症状の形成に深く関与しています。そのため、IL-17の働きを抑えることは乾癬の症状が出るのを最終段階で抑える効果があります。したがって、免疫反応を幅広く抑えてしまうことを避けられるので大きな副作用が少ないばかりか、治療効果が高く、効果が比較的早く出ると言われています。

▼スキリージの特徴

「スキリージ」は、3ヶ月に一度、注射1本の投与で治療が完了するので、通院の手間が少なくて済む薬剤です(患者のQOL向上)。治療効果も高く、患者にとってメリットが大きいと言えます。ただ、自己注射は認められておらず、病院で医師または看護師のスタッフが投与します。高額な薬剤なので、高額療養費制度や医療費控除の対象となっています。

▼スキリージの注意点

「スキリージ」は、免疫の働きを弱めるため、服薬中は感染症にかかりやすくなります。感染防御のために日常的に以下の点に注意が必要です。

・手洗いうがいを徹底する
・手指消毒をする
・マスクをする
・人混みを避ける

※「スキリージ」投与中には、感染症を起こす危険性があるため、BCG、麻疹、風疹などのワクチンを接種することは出来ません。

▼乾癬とは?

乾癬とは、慢性的な皮膚の病気です。人によって症状や発症する場所に個人差があり、第一選択薬も異なります。主な症状は、皮膚の赤みや腫れ、白い乾燥したカサブタ、かゆみなどです。乾癬を患った皮膚では、炎症を起こしやすい細胞が集まって活発に活動しているため、毛細血管が拡張して皮膚が赤い状態になります。また健康な皮膚と比べて10倍以上の速度で表皮が入れ替わるので、皮膚細胞の生産が過剰な状態になってしまいます。過剰に産み出された表皮はゾウの皮膚のように厚く積み上がり、鱗のような屑となってはがれ落ちていきます。

乾癬で困っている患者は、国内で約20〜30万人いると言われ、特に男性に多い病気です。乾癬の原因は正確には解っていません。近年、外敵から身を守るための免疫作用の過剰反応が、乾癬の原因のひとつではないかと発表されています。

乾癬は完全に治癒できる病気ではありませんが、薬を使うことで症状を緩和させることが出来ます。乾癬治療には、塗り薬や飲み薬、紫外線療法などがありますが、2010年からは、生物学的製剤と呼ばれる新しい注射薬が使えるようになりました。様々な選択肢がある中で、それぞれ自分に合った治療方法を見つけることが大切です。






▼クローン病とは?

クローン病は、小腸と大腸を中心に消化管のあらゆる場所に炎症や潰瘍ができる病気です。10〜20代での発症が多く、患者数が増加傾向にあり難病に指定されています。最先端のバイオテクノロジー技術医薬品の登場によって、これまで原因不明だった病気の解明も進みつつあります。

「スキリージ」は、クローン病の既存薬では充分に効果が得られない場合や、薬を長く使い続けることによって生じる効果の減弱が起こった際、作用機序の異なる新たな治療選択肢として期待されています(2022年9月に追加承認)。

【スキリージの効能又は効果】
「中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」(点滴静注600mg)
「中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」(皮下注360mgオートドーザー)

▼広告のキービジュアルについて

広告のキービジュアルは、旅行を愉しむ女性。テーマは患者のQOL(Quality Of Life)です。肌を露出することで、病状の改善と前向きに生きる患者の自信を上手く表現しています。「スキリージ」は、3ヶ月に一度の投与で治療が完了するので、海外旅行も可能ということを示唆しています。両手を上げた女性の姿(Yのようなバンザイポーズ)は、寛解後の喜びと同時にヒト型抗ヒトIL-23モノクローナル抗体を表しています。

スキリージのキービジュアル
製品名: スキリージ皮下注150mgシリンジ1mL、スキリージ皮下注75mgシリンジ0.83mL、スキリージ皮下注150mgペン1mL
一般名:リサンキズマブ(遺伝子組換え)
ヒト型抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤
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