「プラビックスは、脳・心・末梢の3領域で適応症を持つ唯一の抗血小板薬です」
▼プラビックスとは?
「プラビックス」は、血を固まりにくくして、血栓を防ぐ抗血栓薬です。血小板の動きを抑制する作用から「抗血小板薬」と呼ぶこともあります。主に脳の血管が詰まる脳卒中(脳梗塞)、虚血性心疾患、末梢動脈疾患の3領域の予防に使われます。「脳」「心臓」「末梢」に適応があるのは、プラビックスだけです(2016年3月現在)。売れている薬で、ジェネリック医薬品も豊富に発売されています。
プラビックス28錠
▼2剤併用が抗血小板療法の基本
日本循環器病学会のガイドラインでは、経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾(狭心症や心筋梗塞)について、抗血小板療法が推奨されています。具体的な抗血小板薬としては、アスピリン、チクロピジン(パナルジン)、そして「プラビックス」(クロピドグレル)が用いられています。
手術でステントを使用した場合には、アスピリンとチエノピリジン系との2剤併用の抗血小板療法が基本であり、アスピリンとチクロピジン(パナルジン)の併用、もしくはアスピリンと「プラビックス」(クロピドグレル)の併用が推奨されています。
しかし、チクロピジン(パナルジン)は稀に肝機能の重篤な副作用が報告されていることから、近年は「プラビックス」(クロピドグレル)との併用が多く使われるようになっているようです。
▼経皮的冠動脈形成術とは?
経皮的冠動脈形成術とは、狭くなった動脈(冠動脈狭窄)をバルーンやステントで血管の内側から拡げて補強する手術のことです。世界で広く行われている治療法ですが、経皮的冠動脈形成術には治療した箇所が再び狭窄(再狭容)になりやすい、という問題がありました。
しかし、2000年代前半に薬剤溶出性ステントが登場したことで、経皮的冠動脈形成術の問題であった再狭窄が激減しました。さらに術後の血栓性イベントの予防のために、血小板凝集を確実に抑制することが求められ、2種類の抗血小板薬を併用する“抗血小板療法”が登場することになりました。
▼プラビックスとアスピリンの違い
脳梗塞に対する有効性に、大きな違いはありません。脳梗塞の種類や患者の状態によって、使い分けられています。併用することもあります。副作用はどちらも少ない方です。「プラビックス」はアスピリン(「バイアスピリン」など)よりも、心血管系の再発の割合が9%ほど少ないという報告があります。多くの大規模臨床試験によって、その有用性と安全性が年々確立されています。
一方アスピリンは、更に歴史のある薬で、「アスピリン片手のジェット・マシーン〜♪」という佐野元春さんの古い唄がありますが、長年解熱鎮痛薬として使われてきました。近年、低用量における抗血小板作用を利用して、心筋梗塞の再発予防に使われることが多くなっているとのことです。
▼プラビックスとプレタールの違い
動脈の血栓の予防には、血液が固まるのを抑える必要があります。方法として、血小板の機能を抑制するというやり方と、血管内の状態を改善するというやり方の2種類があります。「プレタール」も「プラビックス」も血小板を抑制する作用がありますが、「プレタール」には血管内皮の保護作用、血管内の機能改善効果もあります。
一方、「プラビックス」の売りは“脳・心臓・末梢”に適応があるというところです。これはプラビックスだけの特徴です。脳梗塞に対する有効性に、大きな違いはありません。
▼プラビックスとエフィエントの違い
「プラビックス」も「エフィエント」も、血小板を抑制して血を固まりにくくする抗血小板剤です。有効性としては、「プラビックス」も「エフィエント」もほぼ同等でほとんど差はありません。
「エフィエント」は「プラビックス」に比べて個人差が少なく(遺伝子多型の影響を受けにくい)、抗血小板作用がすぐに発現するというメリットがあります。しかし、出血に関する副作用については、「エフィエント」のほうが「プラビックス」よりも多く発生しています。また、「エフィエント」の適応は心疾患しかありませんが、「プラビックス」は脳・心臓・末梢に適応を持っています。
▼広告のキービジュアル
広告は、「脳」「心臓」「末梢」のアイコンの中心にプラビックス錠を持った医師の手、というビジュアルです。3領域に効果がある、というのがひと目で分かりますね。
たとえば「脳の薬です」とか「心臓の薬です」という場合は、テーマが明確で広告の絵柄を作りやすいと思うのですが、「脳、心臓、末梢」と身体のあちこちに3つもあると、表現するのが難しいですよね。この広告はその辺を【アイコン】という形で交通整理して、上手く仕上げていると思います。
一般名:クロピドグレル硫酸塩
製品名:プラビックス錠25mg,75mg
抗血小板剤
サノフィ