激しい腹痛などの症状がみられたとき、疑ってほしい疾患があります。
急性肝性ポルフィリン症は、 QOLに影響を及ぼす遺伝性の疾患です。早期に診断し、早期から適切な治療を行うことが重要です。
▼急性肝性ポルフィリン症(AHP)とは?
急性肝性ポルフィリン症(acute hepatic porphyria:AHP)は、ヘムの生合成過程に異常があることで発症する遺伝性の疾患です。急性間欠性ポルフィリン症(AIP)をはじめ、4つの病型に分類されています。
AHPは、激しい腹痛などの症状を伴う急性発作をきっかけに発症しますが、多様な臨床症状を呈することから、他の疾患と間違われて見逃されている可能性もあります。そのため、適切な治療を受けられず、長い間苦しんでいる患者が存在すると考えられます。
未だ不明な点が多いものの、合併症として高血圧や慢性腎臓病(CKD)、肝細胞癌の発症リスクを高めることなどが報告されています。
▼Alnylam(アルナイラム)とは?
2002年に設立された米国のAlnylam(アルナイラム)社は、RNAi(RNA interference)研究に基づく核酸医薬開発のバイオベンチャーです。siRNAの開発で世界をリードしており、2019年にsiRNA核酸医薬「オンパットロ」を発売し、日本市場に参入しています。
Alnylam(アルナイラム)は【遺伝性疾患】【心血管・代謝性疾患】【肝感染症】【中枢神経疾患/眼疾患】の4つを戦略領域としてRNAi治療薬の開発を進めており、「オンパットロ」以外にも複数のsiRNA核酸医薬をパイプラインに抱え、2021年にも2品目を申請する計画です。
アルナイラム・ジャパンは、スタートアップしたばかりなので、まだ組織もMRの数も少なく採用を続けています。「新しい治療薬をできるだけ早く必要な患者に届けたい」と日本事業を加速させる計画です。
▼オンパットロとは?
「オンパットロ」は、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)という遺伝性の難病・希少疾患の治療薬です。核酸医薬で世界をリードするアルナイラム社(米国)が、日本市場へ初めて参入し、国内初のsiRNA核酸医薬(RNA干渉=RNAi治療薬)として、2019年9月に発売しました。
▼siRNA製剤とは?
siRNA製剤の起源は、1990年に発見された標的遺伝子の発現を抑制する“遺伝子サイレンシング現象”まで遡ります。そのメカニズムは、しばらくの間不明でしたが、1998年に、二本鎖RNAによって、選択的かつ効率的な遺伝子サイレンシングが起こることが解りました(RNA干渉:RNAiと命名)。2000年以降、ショウジョウバエでRNAiの背景にある分子機構の詳細が解明され、ヒト細胞においても合成した21塩基のsiRNAを導入すればRNAiを誘導できることが発見されました。
RNAiは、元来生物に備わっている生体内応答であり、特定の生物においてはウイルス感染に対する防御機能だったと考えられています。この応答を医薬品に応用した核酸医薬が「オンパットロ」のようなsiRNA製剤です。
▼広告のキービジュアル
広告のキービジュアルは、ジオラマ模型。AHPの診断までの過程を、すごろくのように上手く表現しています。深刻な病気ですが、希望を感じさせるぬくもりのある広告に仕上がっています。
表向きは、急性肝性ポルフィリン症(AHP)の【疾患啓発広告】となっていますが、近い将来上市する新薬「givosiran」発売への布石です。アルナイラム・ジャパンは、急性肝性ポルフィリン症治療薬の皮下注製剤「givosiran」を欧米で申請中。日本でも承認取得を目指す方針で、2021年中に申請したいと表明しています。
▼AHP医療関係者向けサイト
https://porphyria.jp/
急性肝性ポルフィリン症(AHP)
アルナイラム・ジャパン