ステラーラ/UNEVENTFUL

UNEVENTFUL

▼ステラーラとは?

「ステラーラ」は、主に乾癬(慢性炎症性の皮膚の病気)の症状を抑える生物学的製剤です。乾癬の原因に深くかかわっているIL‐12(インターロイキン12)とIL‐23(インターロイキン23)の働きを弱めることで、皮膚細胞の異常な増殖と炎症を抑えて、乾癬の症状を改善します。「ステラーラ」は、従来の生物学的製剤(抗TNF-α製剤)とは異なるサイトカインへの作用を持った薬です。

「ステラーラ」は、基本的に最初に点滴注射で投与し、維持期には皮下注射となるため、点滴静注と皮下注シリンジのふたつの規格が用意されています。

▼乾癬について

乾癬で困っている人は、国内で約20〜30万人いると言われ、特に男性に多い病気です。主な症状は、皮膚の赤みや腫れ、白い乾燥したカサブタ、かゆみなどです。乾癬の原因は正確には解っていません。近年、外敵から身を守るための免疫作用の過剰反応が、乾癬の原因のひとつではないかと発表されています。

乾癬は完全に治癒できる病気ではありませんが、薬を使うことで症状を緩和させることが出来ます。乾癬治療には、塗り薬や飲み薬、紫外線療法などがありますが、2010年からは、生物学的製剤と呼ばれる新しい注射薬が使えるようになりました。様々な選択肢がある中で、それぞれ自分に合った治療方法を見つけることが大切です。



▼クローン病治療薬として

最先端のバイオテクノロジー技術医薬品の登場によって、これまで原因不明だった病気の解明も進みつつあります。こうした中、「ステラーラ」は乾癬の他に、新たにクローン病(中等症〜重症)の維持療法薬として適応が追加になりました。

クローン病は、小腸と大腸を中心に消化管のあらゆる場所に炎症や潰瘍ができる病気です。「ステラーラ」は、クローン病の既存薬では充分に効果が得られない場合や、薬を長く使い続けることによって生じる効果の減弱が起こった際、作用機序の異なる新たな治療選択肢として期待されています。今後、抗TNF-α抗体製剤などで症状をコントロールできない場合に「ステラーラ」への切り替えが検討されると考えられます。

▼好調な売上

「ステラーラ」は、2017年3月に皮下注製剤にクローン病が適応追加され、更に2017年5月には点滴静注製剤が新たにラインアップへ加わりました。「ステラーラ」は、従来の生物学的製剤とは異なる作用を持つという特徴を活かし、販売プロモーションとして、従来の抗TNF-α製剤で充分な結果が得られない患者への治療提案を展開しています。この販売戦略が功を奏し(2016年度の売上高は、前年比31%増の3,232百万ドル)、当初の販売予測を上回る好調な結果となっています。(追記:2017年9月)。

キードクター
五十嵐 敦之先生(NTT東日本 関東病院 皮膚科 部長)
鈴木 康夫先生(東邦大学医療センター 佐倉病院 消化器内科 教授)
小林 択先生(北里大学北里研究所病院 IBDセンター 副センター長)
久松 理一先生(杏林大学医学部 第三内科学 教授)

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは結婚パーティの様子を描いています。「ステラーラで平穏を取り戻して、愉しいパーティを」というイメージでしょうか。「GUCCI」や「ルイ・ヴィトン」などのハイブランドのファッション広告のような新鮮さがあります。

キャッチコピーのUNEVENTFULとは“平穏な”“波乱のない”という意味です。「ステラーラ」というネーミングがとても良いですね。製品名には、患者の希望の星(stellar)という意味が込められているそうです。


ヒト型抗ヒトIL-12/23p40
モノクローナル抗体製剤
「ステラーラ」皮下注45mgシリンジ
「ステラーラ」点滴静注130mg
ヤンセンファーマ

関連記事

カテゴリー

スポンサードリンク