▼フォサマックとは?
「フォサマック」はビスホスホネート系と呼ばれる骨粗鬆症の治療薬です。骨折の予防効果が高く、高齢者や骨折の危険性が高い重い骨粗鬆症患者に向いています。
ビスホスホネート系としては第二世代に分類され、第一世代の「ダイドロネル」(エチドロン酸)よりも骨吸収抑制作用が強力です。世界で一番処方されているビスホスホネート製剤ということで、実績が豊富で安全性が高く、骨軟化の副作用が少ないことが認められています。
1日1回服用タイプの錠剤(5mg)と、患者にとって負担が少ない週1回服用タイプの高用量製剤(35mg)が発売されています。ステロイドによる薬物が原因の骨粗鬆症に対しても第一選択薬として重宝されています。
▼骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症は、加齢などにより骨の吸収と形成のバランスが悪くなり、骨がスカスカになる病気で、腰痛や背中の痛みを伴います。年配の方は骨折しやすくなります。特に女性の高齢者は、女性ホルモンが少なくなることで「閉経後骨粗鬆症」という病気になりがちです。また、骨粗鬆症が進行して寝たきりの状態になると、高齢者の生活の質を著しく低下させる可能性があり、早期治療が必要と言われています。
骨粗鬆症の治療薬としては、ビスホスホネート製剤(フォサマックやボナロン)の他に、カルシトニン製剤、活性型ビタミンD3製剤、女性ホルモン製剤、選択的エストロゲン受容体調整薬(SERM)、ヒト甲状腺ホルモン(PTH)製剤、イプリフラボン製剤、タンパク同化ホルモン製剤などが使用されています。
▼骨粗鬆症の治療には長い期間が必要
高齢者の場合、古い骨が新しい骨に置き換わるまでに時間がかかるため、骨粗鬆症の治療には長い治療期間が必要となります。そのため、途中で治療を諦めてしまう患者も少なくありません。
骨粗鬆症の治療薬は、ある程度長期間使い続けなければ骨密度向上の効果が十分に得られません。薬の特性に併せて休薬をするケースでも、必ず専門医の判断に基づいて行なうことが重要です。
▼ボナロンとフォサマックの違い
「フォサマック」と「ボナロン」は、一般名“アレンドロン酸ナトリウム”という有効成分を含有した同じ薬です。適応症や用法用量、添加物なども全く同じで製品名が違うだけです(一物二名称医薬品)。
医療用医薬品の世界では良くあることで、“併売品”と呼ばれています。なぜ一物二名称の医薬品が多く存在するのかという理由は、患者にとってのメリットはほとんどなくて、各社のビジネス的な思惑が大きいと言えます(販売経路や領域の得意・不得意など)。なお「フォサマック」は万有製薬(MSD)から、「ボナロン」は帝人ファーマから発売されています。
▼フォサマックの副作用
「フォサマック」の主な副作用は、吐き気、便秘、下痢、胃痛などです。この薬(アレンドロン)の特徴として、“服用後30分は横にならない”という決まりがあります。すぐ横になると、食道炎や胃炎のリスクが高まるためです。
頻度は少ないですが、注意すべき副作用は食道炎や食道潰瘍、胃潰瘍などです。「フォサマック」は刺激が強い薬ですので、食道に痛みを感じたり、胸やけや胃痛が続く場合は、注意が必要です。速やかに専門医に相談しましょう。
【重い副作用】 | 上部消化管障害(食道炎、食道潰瘍、胃潰瘍)、肝臓の重い症状、低カルシウム血症、皮膚・粘膜障害、顎骨壊死・顎骨骨髄炎、外耳道骨壊死、大腿骨の非定型骨折 |
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【その他の副作用】 | 吐き気、便秘、下痢、胃痛、胃・腹部不快感、頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹、かゆみ、肝機能値の異常、血中カルシウム減 |
▼主な骨粗鬆症治療薬の種類
ビスホスホネート(フォサマック) | 骨を壊す働きを抑える。 毎日/週1回、高用量製剤あり |
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選択的エストロゲン受容体調整薬 | 骨を壊す働きを抑える。 1日1回、服用 |
副甲状腺ホルモン | 骨の形成を促進。 毎日/週1回、皮下注射 |
活性型ビタミンD3 | Ca吸収で骨の形成を助ける。 1日1回or2回、服用 |
ビタミンK2 | 骨の形成を助ける。 1日3回、食後服用 |
カルシウム | 食事で足りないCaを補給。 1日2〜3回、服用 |
▼その他の骨粗鬆症の薬
▼広告のキービジュアル
広告のキービジュアは、笑顔でオレンジ狩りを楽しむシニアの女性。骨折しやすい骨粗鬆症患者にとって、高い所での作業は不安を感じるものですが、「フォサマック」を服用することで安心してオレンジを摘むことができる、というわけです。なお、オレンジは「フォサマック」のイメージカラーとなっています。
一般名:アレンドロン酸ナトリウム
製品名:フォサマック錠5mg,35mg
骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート)/骨粗鬆症治療薬
万有製薬
MSD