リバロ/日本人のエビデンス構築を目指して

REAL Evidence for JAPAN
今、臨床現場で求められる日本人のエビデンス構築を目指します。

▼リバロとは?

「リバロ」は、体内のコレステロールの生成を抑える高脂血症の薬です。スタチン系に分類される種類の薬で“HMG-CoA還元酵素阻害薬”とも呼ばれます。スタチン系はコレステロール低下作用が強く、効果にも実績があります。高脂血症(高コレステロール血症)の治療に、非常に頻繁に使用されている薬です。ジェネリック(後発品)も豊富に出ています。

作用時間が長いので、1日1回の服用で済む薬剤です。「リバロ」の有効成分であるピタバスタチンは、糖尿病を患っているメタボリックシンドロームの患者への投与に適していると言われています。

日本老年医学会が発行している【高齢者脂質異常症診療ガイドライン2017】では、スタチン系高脂血症治療薬を冠動脈疾患の二次予防に推奨しています。ただし、“スタチン系高脂血症治療薬は、高齢者の糖尿病の新規発症を増加させる”とも指摘しており、高齢者の処方には充分な注意が必要です(追記:2017年11月)。

▼高コレステロール血症とは?

高コレステロール血症という病気は、血液中のコレステロールが多すぎる状態のことを指します。自覚症状がない場合でも、長い時間をかけて少しずつ動脈硬化が進むと、心筋梗塞や狭心症といった深刻な病気の原因となる可能性があります。日常的にコレステロールを低下させておけば、将来発症するかもしれない心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な病気のリスクを減らすことが可能です。「リバロ」には、コレステロールのほかに中性脂肪を低下させる効果もあります。

心筋梗塞や脳梗塞の多くは、血管内にこびりついて出来たプラークというコブ(粥腫)が破裂して、それが血栓となって血が流れなくなってしまって発症します。「リバロ」などの医薬品を使ってコレステロールを十分に下げてやると、プラークが安定して破裂しにくくなります。一度罹患した患者の再発防止にも役立ちます。

▼スタンダードスタチンとストロングスタチン

スタチン系の高脂血症治療薬は、効果の強さで【スタンダードスタチン】【ストロングスタチン】に分けられます。「リバロ(ピタバスタチン)」は、スタチン系の中では【ストロングスタチン】に分類される薬剤です。LDLコレステロールを低下させる効果は、【スタンダードスタチン】で約15%、【ストロングスタチン】で約30%と言われています。

基本的に、実際のLDLコレステロール値と目標値の幅が30mg/dL以下の場合は「ローコール」や「メバロチン」のような【スタンダードスタチン】が処方されます。一方、LDLコレステロール値と目標値が50mg/dL以上乖離している場合は、初めから「リピトール」や「クレストール」といった【ストロングスタチン】が処方されます。

▼脂溶性の薬と水溶性の薬

スタチン系に分類されるHMG-CoA還元酵素阻害薬は【脂溶性の薬】【水溶性の薬】のふたつのタイプに分類されます。「リバロ」は、脂溶性のHMG-CoA還元酵素阻害薬です。一般的に脂溶性の薬は、内臓や細胞へ薬の成分が伝わりやすいと言われています。その為、脂溶性の薬は効果が出やすい一方で、水溶性の薬に較べると副作用が発現しやすい傾向があります。

ローコール スタンダードスタチン 肝代謝、メバロチンよりも効果強、脂溶性
メバロチン スタンダードスタチン 腎排泄、細粒剤あり、日本初のスタチン、水溶性
クレストール ストロングスタチン 胆汁排泄、スタチン系最強、水溶性
リバロ ストロングスタチン 胆汁排泄、スタチン初のOD錠、脂溶性
リピトール ストロングスタチン 肝代謝、配合錠(カデュエット)あり、グレープフルーツNG、脂溶性

▼主なスタチン系「高脂血症治療薬」




▼リバロの副作用について

「リバロ」の主な副作用として、胃の不快感、吐き気、腹痛、下痢、指のしびれ感、頭痛、発疹、かゆみなどが、報告されています。自覚症状としては、倦怠感、運動してないのに脚やふくらはぎが筋肉痛、尿の色の異常、腹痛、吐き気などがあります。稀ですが、重大な副作用として、横紋筋融解症、ミオパチー、肝臓の不具合、間質性肺炎肝機能値の異常などが報告されています。

「リバロ」にかぎらず、コレステロール降下薬には“横紋筋融解症”という臓器機能不全に繋がる重大な副作用を発症することが知られていますが、横紋筋融解症が起こる可能性は極めて少なく、仮に起こったとしてもすぐに投薬を止めれば後遺症は残らず、身体の機能は快復します。異変に気がついたら服用を中止して、早急に医師に相談するべきです。特に腎臓に病気がある人や高齢者は注意が必要です。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、循環器の専門医の皆さんの肖像写真です。被写体の持つ魅力を最大限に引き出し、説得力のある真摯なデザインに仕上げています。この手法を私は“マウントラッシュモア”と呼んでいます〔アメリカの歴史に名を残す4人の大統領(ワシントン、ジェファーソン、ルーズベルト、リンカーン)が彫られた花崗岩〕。知的でドラマチックなイメージを感じさせるビジュアルです。

医薬広告の世界でも一時期流行した表現方法なのですが、数年後に製薬協の自主基準「作成要領」の改訂において、禁止となりました。理由としては、登場する医療関係者がその薬をあたかも保証しているように見えるから、ということです。登場する医師は、少なくともその薬を信頼しているから広告に出ることを承諾したのだと思いますが、厳しい規制ですね。

ただ、このような規制も仕方がないのかなあと思います。例えば広告を見た人が「あの先生が薦めるのだから、なんとなく信頼できるな」という気持ちを抱いても不思議ではありません。製薬協の基準は、そのような誤解を招く表現をなくそうという表れなのです。

【専門誌掲載広告】基本的注意事項(抜粋)
医療関係者の肖像写真を主体とする広告は作成しないこと。
(ただし、座談会などで出席者の紹介を目的としたものはその限りではない。)
製薬協「医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領」

一般名:ピタバスタチン カルシウム
製品名:リバロ錠1mg,2mg,4mg
高脂血症用剤/スタチン系/HMG-CoA還元酵素阻害剤
興和

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