グルコバイ/心血管イベント発症抑制をめざして

心血管イベント発症抑制をめざして
水なしで服用でき、口に含むとサッと溶けるグルコバイOD錠【発売準備中】

▼グルコバイとは?

「グルコバイ」は、1993年12月に発売された食後の血糖上昇を抑制する糖尿病の治療薬です。作用機序から“αグルコシダーゼ阻害薬(αGI)”に分類されます。また“食後過血糖改善薬”と呼んだりします。

「グルコバイ」は、小腸のαグルコシダーゼに作用し、食事に含まれる糖質がブドウ糖に分解される速度を遅くする効果があります(炭水化物の消化と吸収を遅延化)。ブドウ糖がゆっくり吸収されるため、食後の急激な血糖値の上昇を抑えるというわけです。

メリットとしては、低血糖の心配がなく、食後高血糖を抑制できるという点です。デメリットとしては、HbA1c降下が控えめで、他の血糖降下薬に較べて服用回数も多く(1日3回)、毎食直前に飲まなければいけないことです。

あくまでも“おまけ”的な効果ですが、「グルコバイ」を含むαグルコシダーゼ阻害薬は、糖の代謝を改善することで、軽度ですがコレステロール値の改善も認められています。

「グルコバイ」は効果はマイルドですが、その分安全性に優れた薬剤と言えます。糖尿病患者で、食事療法や運動療法でも上手くいかず、経口血糖降下薬(またはインスリン)によっても十分な血糖コントロールを得られない場合の【追加療法】に適しています。つまり、基本的にSGLT2阻害薬やSU薬など他の糖尿病治療薬と併用することが多い薬です。

▼グルコバイのジェネリック「アカルボース」

既に特許が切れているため、一般名の「アカルボース」として、ジェネリック(後発品)が豊富に出ています。

グルコバイ(アカルボース)25mg

グルコバイ(アカルボース)25mg

グルコバイ(アカルボース)25mg

▼グルコバイの利点と欠点

グルコバイのメリット 低血糖なし
食後高血糖抑制
非全身性
コレステロール改善
グルコバイのデメリット 血糖降下が弱い
下痢、腹部膨満
服用頻度

▼糖尿病とは?

糖尿病には1型と2型が存在します。1型糖尿病は、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する組織が、主に自己免疫によって壊れてしまっている状態の病気です。インスリンが分泌できないため、血糖が高くなってしまいます。インスリン注射を打って、治療します。

一方で2型糖尿病は、生活習慣や肥満などによってインスリンの効きが悪くこなることで発症する病気です。「グルコバイ」は、2型糖尿病に対して使用する薬です。2型糖尿病治療では、薬を使う前にまずは食事の改善や運動療法が試されます。そして、食事療法や運動療法を行っても血糖値の改善が見られない場合に、「グルコバイ」のような2型糖尿病治療薬が処方されます。「グルコバイ」には直接的な血糖低下作用がないので、他の糖尿病治療薬と併用することが多いです。

▼低血糖が起きやすい糖尿病治療薬

・グリニド系(シュアポストなど)
・インスリン(ランタスXRなど)
・スルホニル尿素薬(アマリールなど)

▼低血糖が起きにくい糖尿病治療薬

・DPP-4阻害薬(ジャヌビアトラゼンタなど)
・SGLT-2阻害薬(デベルザフォシーガなど)
・ビグアナイド薬(メトグルコなど)
・チアゾリジン薬(アクトスなど)
・α-グリコシターゼ阻害薬(セイブル、グルコバイなど)

▼食後過血糖と心血管イベント

食後過血糖とは、食事をした後に血糖値が正常な範囲を超えて高くなることを指します。最近の研究では、食後過血糖は、脳梗塞や心筋梗塞といった心血管系の疾患の発症と密接に関係していることが明らかになっています。

食後血糖値の管理の重要性は、2007年に改訂されたIDF(The International Diabetes Federation、国際糖尿病連合)の治療ガイドラインにも記載されています。

▼広告のキービジュアル

「グルコバイ」の広告のキービジュアルは、心電図のような光の曲線。食後過血糖と心血管イベントが密接に関わっている、ということを表現しています。

一般名:アカルボース
製品名:グルコバイ錠50mg,100mg、グルコバイOD錠50mg,100mg
糖尿病用剤/αグリコシターゼ阻害剤/糖尿病食後過血糖改善剤
バイエル

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