エクア/1日2回で夜間の空腹時血糖値を改善

その力、膵島発。

▼エクアとは?

「エクア」は血糖を下げる糖尿病治療薬で、スルホニルウレア系など従来のインスリン分泌促進薬とは作用機序が異なる国内2番目の選択的DPP-4阻害薬です。血糖を下げる力は、DPP-4阻害薬中では若干強め。インクレチンを増やすことで、安全に血糖を下げます。

「エクア」の血糖降下作用は、【1】膵β細胞からのインスリン分泌促進、【2】膵α細胞からのグルカゴン分泌抑制作用というふたつの作用から成り立っています。朝の1錠で昼間の食後血糖値を改善するとともに、夕方の1錠で夜中のグルカゴン分泌を抑制し、空腹時血糖値を改善するというのが特徴です。

▼糖尿病とは?

糖尿病には1型と2型が存在します。1型糖尿病は、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する組織が、主に自己免疫によって壊れてしまっている状態の病気です。インスリンが分泌できないため、血糖が高くなってしまいます。インスリン注射を打って、治療します。

一方で2型糖尿病は、生活習慣や肥満などによってインスリンの効きが悪くこなることで発症する病気です。「エクア」は、2型糖尿病に対して使用する薬です。糖尿病は食事療法、運動療法、薬事療法の3つが基本です。2型糖尿病治療では、薬を使う前にまずは食事の改善や運動療法が試されます。そして、食事療法や運動療法を行っても血糖値の改善が見られない場合に、「エクア」のような2型糖尿病治療薬が処方されます。

▼DPP-4阻害薬とは?

DPP-4阻害薬の具体的な作用は、血糖依存性に膵β細胞からのインスリン分泌を増加(血糖依存性)させるという効果です。空腹時血糖よりも、食後血糖の方がDPP-4阻害による血糖降下作用が強くなります。「エクア」の臨床試験では、空腹時血糖値が約15~25mg/dLの減少、食後高血糖は約60mg/dLの減少であったと報告されています。

選択的DPP-4阻害剤は従来の糖尿病治療薬と違って、インスリンを過剰に分泌させないのが特徴です。つまり、低血糖のリスクが少なくなるということです。また、体重の増加も見られません。DPP-4阻害剤は新しい種類の薬なので、薬価が高いというのがデメリットです。これまでの日本の糖尿病治療は、“メトホルミン”を第一選択薬として考えられてきましたが、近年は、“DPP-4”を主に処方する専門医が増えています。

DPP-4阻害薬は種類が多くなりましたが(2015年発売のマリゼブで9つ目)、DPP-4阻害薬としての効果に関しては、他の薬と大きな違いがありません。後から発売される薬は、それなりの個性がないと生き残っていくのが難しいのかな、と思います。

▼主なDPP-4治療薬の特徴

トラゼンタ】:胆汁排泄型、腎機能に関係なく使用可
テネリア】:胆汁・腎排泄型、半減期が24時間と長い、日本発
スイニー】:腎排泄型、中性脂肪やLDLコレステロールを下げる効果
オングリザ】:腎排泄型、解離半減期が長く、効果が持続する
マリゼブ】:腎排泄型、週1回で他のDPP-4阻害剤と同等の効果





▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、ランゲルハンス島へ力強く向かっているモーターボートです。船体に“Smart Efficacy(スマート効能)”と書かれています。島とボートは、昔から糖尿病領域で繰り返し使われているイメージですね。

矢印のシンボルマークは、「エクア」の特徴である“膵β細胞からのインスリン分泌促進”と“膵α細胞からのグルカゴン分泌抑制”を表しています。


一般名:ビルダグリプチン
製品名:エクア錠50mg
糖尿病用剤/選択的DPP-4阻害薬(2型糖尿病治療薬)
ノバルティスファーマ
サノフィ

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