フルティフォーム/ベストアンサーを考える。

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▼フルティフォームとは?

「フルティフォーム」は、喘息の治療に使う吸入薬です。映画「グーニーズ」で主人公のマイキーが使っていた道具ですね(あれから随分進化したと思います)。喘息とは、気管や気管支が炎症により過敏になり、少ない刺激で気道が狭くなります。その結果、呼吸が苦しくなる病気です。

「フルティフォーム」には、2種類の有効成分が配合されています。ひとつはフルチカゾン。もうひとつはホルモテロール。フルチカゾンはステロイド薬で、強い抗炎症作用があり、気道の炎症を抑制することで喘息の発作を起こにくく予防します。ホルモテロールは、気管支拡張作用を持つβ2刺激薬(アトック、オーキシス)です。こちらは気道を広げ、呼吸を楽にする役割があります。心臓への影響が少なくて、効き目が早く、効果の時間が長いのが特徴です。

フルチカゾンとホルモテロール、ふたつの成分のシナジー効果によって、より優れた呼吸機能の改善が期待できます。処方対象は、吸入ステロイド薬だけでは効果が不足してしまう、重めの喘息患者に対してです。予防薬なので、毎日適宜吸入して使います(映画やドラマのように、吸入して瞬時に治るというものではありません・・・)。

▼β2刺激薬+ステロイド合剤市場の動向

β2刺激薬とステロイドの配合剤は、現在4製品が販売されています(2014年現在)。規格別に見ると、アステラス製薬の「シムビコートタービュヘイラー60吸入」が病院外・病院内で処方数/処方金額でどちらもトップです(2014年度)。しかし、全規格を合わせた外来での処方金額を見ると、グラクソ・スミスクラインの「アドエア」が90億円の差をつけて第一位となっています。

β2刺激薬とステロイドの配合剤市場は、「アドエア」と「シムビコート」が長らくシェアを二分していましたが、2013年11月に杏林製薬が「フルティフォーム」を、2013年12月にはグラクソ・スミスクラインが「アドエア」の姉妹品「レルベア」を相次いで発売しています。



▼吸入式喘息治療薬のジェネリックが出ない理由(2018年1月:追記)

2018年の後発医薬品薬価追補収載が、吸入型喘息治療薬のジェネリック参入の障壁となっています。原因は、先発品の吸入器の特許が残っていることです。

後発品の場合、吸入器の開発は後発メーカー各社が独自に行わなくてはならないため、吸入型喘息治療薬は内用薬とは違って開発費が余計にかかります。新規後発品の薬価算定ルールで内用薬と同じように“先発医薬品薬価の5掛け”となると、採算が合わず、後発医薬品が出せなくなるというわけです。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、清々しい表情の女性です。3色の矢印の輪(Kyorin)によって、気道が改善している姿を描いています。「Efficacy:効能」→「Onset:開始」→「Convenience:便利」という3つのサイクルで健康な人と変わらない日常を過ごすことが出来る、ということを表現しています。

3色の輪は杏林製薬のシンボルマークでもあり、あんずの実をハート型にした3本の曲線は、人の笑顔を表しています。オレンジは誠実な温かさ、紫は信頼を生み出す技術力、ライトグリーンはいきいきとした創造性、という意味が込められています。


一般名:フルチカゾン プロピオン酸エステル/ホルモテロール フマル酸塩
製品名:フルティフォーム50エアゾール56吸入用,120吸入用、125エアゾール56吸入用,120吸入用
吸入ステロイド薬/喘息治療配合剤
杏林製薬

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