PK/PD
超えて叩く。
▼ジェニナックとは?
「ジェニナック」は、細菌を殺菌する抗菌剤です。菌のDNAの複製を阻止することで、細菌の繁殖を防ぎます。様々な細菌に有効なので、呼吸器や耳鼻科領域を中心に各領域で広く使われています。
具体的には、咽頭炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症。耳鼻科領域では、中耳炎と副鼻腔炎に適応があります。
一般的に“風邪”をひいても処方されることがありますが、ウイルスによる風邪には効果がありません。細菌による二次感染時や肺炎予防のためと言われていますが、近年は多くの国で“風邪の時に抗生物質は飲まない”ということが推奨されています。抗生物質の消費大国である中国でも、最近は抗生物質の処方に対して、ルール作りが進められているそうです。
▼ジェニナックの特徴
「ジェニナック」は、新しいタイプのキノロン系(ニューキノロン系)抗菌薬です。旧世代の抗菌薬に比べ威力が強く(発現効果も早い)、いろいろな細菌に有効です。組織移行性に優れ、1日1回の服用で充分な効果を発揮します。また、経口吸収性にも優れ、飲み薬では効き目が弱かった難治性の感染症に対しても、点滴に匹敵する効果が期待できます。
・発現効果が早く、強力
・経口吸収性に優れ、点滴に匹敵する効果
・副作用、アレルギーが少ない
・肺炎球菌に対して、強い抗菌活性を発揮
ニューキノロン系は比較的に副作用が少なく、アレルギーを起こすことも滅多にないので、ペニシリン系抗生物質やセフェム系抗生物質にアレルギーがある患者に重宝されています。
「クラビット」などの既存のニューキノロン系とは異なる化学構造を持っているため、他の抗菌薬が効きにくい細菌(特にペニシリン耐性肺炎球菌、多剤耐性肺炎球菌を含めた肺炎球菌)に対して強力な抗菌効果が認められています。
▼PK/PDとは?
キャッチコピーに登場する“PK/PD”とは、薬物動態(PharmacoKinetics)と薬力学(PharmacoDynamics)を組み合わせた実践的な理論のことです。このふたつを関連づけて解析することで、抗菌薬の用法・用量と効果の関係性が分かり、抗菌薬の最適な用法・用量を設定することが出来ます。
日本化学療法学会では、ホームページで「抗菌薬のPK/PDガイドライン」というものを公開しています。臨床と非臨床のふたつのケースに分けて、抗菌薬の評価方法や臨床使用上の留意点などを示しています。
▼広域抗菌薬の使用が全体の約80%
幅広く有効な第3世代セフェム系や、フルオロキノロン系、マクロライド系、カルバペネム系といった抗菌薬の使用割合が、日本では抗菌薬全使用量の約80%を占めており、この非常に高い割合を厚生労働省は問題視しています。
抗菌薬は風邪に効かないばかりか、副作用が増えるという報告があるにも関わらず、風邪に抗生物質が効くと考えている患者が多いのが実情です。また、抗生物質を最後まで飲みきらない患者が37%も存在するという調査結果も報告されています。医療費圧迫の問題や、耐性が出来て肝心な時に抗菌薬が効かなくなるおそれなどを考えると、広域抗菌薬の使用を減らす施策が必要なのかもしれません。
▼その他の抗菌薬(抗生物質)
ニューキノロン系抗菌薬のうちで圧倒的に処方されているのは「クラビット(レボフロキサシン)」です。1日1回500mg投与というのが使い勝手が良いようです。二番手に「ジェニナック(ガレノキサシン)」、三番手に「タリビッド(オフロキサシン)」という評価となっています(2018年時点)。
▼ジェニナックの副作用
これまでのキノロン系抗菌薬は、ふらつきなどの副作用があり、高齢者に対しては安全性に不安がありました。「ジェニナック」は、高齢者でも副作用の経験が少ないのが特徴です。
抗菌薬特有の消化器症状の副作用も少ない方ですが、「ジェニナック」の副作用として発疹や下痢が報告されています。また数は少ないですが、吐き気、頭痛、肝機能値の異常、血圧低下なども認められています。
滅多にありませんが、重大な副作用として不整脈や低血糖、けいれん、横紋筋融解症などが挙げられます。また、キノロン系の特殊な副作用として、アキレス腱障害があります。代謝機能が弱まっている高齢者や腎臓に障害のある患者は注意してください。
▼広告のキービジュアル
広告のビジュアルイメージは、ビーチバレー。“超えて叩く”という、「ジェニナック」の特徴を上手く捉えています。バレーボールではなく、ビーチバレーにしたところがポイントで、当時の流行をいち早くキャッチすることで、ビジュアルに新鮮が出てきます。青空と女性という要素も美しく、綺麗にまとまっている秀作です。
一般名:メシル酸ガレノキサシン
製品名:ジェニナック錠200mg
合成抗菌剤/キノロン系経口抗菌剤
大正富山医薬品
アステラス
富山化学工業