一日の血糖をコントロール
▼テネリアとは?
「テネリア」は、2012年から発売されている国内5番目のDPP-4治療薬です。選択的DPP-4阻害剤は従来の糖尿病治療薬と違って、インスリンを過剰に分泌させません。低血糖のリスクがほとんどなくなるということです。DPP-4阻害剤は新しい種類の薬なので、まだ薬価が高いのがデメリットです。
「テネリア」は、糖尿病薬で2番目に強く、ビルダグリプチンに次ぐ効果があると言われています。発売当時は、併用にしばりがありましたが、2012年2月に併用効能拡大の申請を行なっています。DPP-4阻害剤は今流行の薬で、激戦区です。今後も2〜3新製品の発売が控えているようです(2015年時点で9種類)。
DPP-4阻害薬は種類が多くなり、どの薬剤もきちんと服用すれば24時間のDPP-4阻害率は80%をクリアしているので、医師も選択に迷うのではないでしょうか。後から発売される薬は、それなりの個性がないと生き残っていくのが難しいのかな、と思います。
▼テネリアの特徴
「テネリア」は“効果が24時間と長い”ことが売りですが、日本の医師なら自分の国の医療経済のことを考えて応援したくなる、ということもあるのかなと思います。【国産薬】であるということもひとつの“売り”になるということです。
テネーレ(伊)保つ、リアゾン(仏)つなぎ、を混ぜた→ テネリア
主なDPP-4治療薬
【トラゼンタ】:胆汁排泄型、腎機能に関係なく使用可
【テネリア】:胆汁・腎排泄型、半減期が24時間と長い、日本発
【スイニー】:腎排泄型、中性脂肪やLDLコレステロールを下げる効果
【オングリザ】:腎排泄型、解離半減期が長く、効果が持続する
【マリゼブ】:腎排泄型、週1回で他のDPP-4阻害剤と同等の効果
▼重大な副作用に急性膵炎が追加(追記:2018年4月)
2018年3月、厚労省は一部のDPP-4阻害薬について添付文書の改訂を指示しました。改訂の対象とされたDPP-4阻害薬は、「スイニー」、「テネリア」、「カナリア」、「トラゼンタ」で、重大な副作用に【急性膵炎】が追加されました。経口する糖尿病薬の中で、副作用に急性膵炎の記載があるのはDPP-4阻害薬だけで、注意が必要です。
2018年3月末現在で、重大な副作用に【急性膵炎】が記載されていないDPP-4阻害薬は、「マリゼブ」と「ザファテック」のみとなりました。
▼広告のキービジュアル
「テネリア」のビジュアルは、「24」という数字と日常の風景です。1日1回の処方で済むのだな、とすぐに判ります。ロイヤリティフリー写真ではなく、きちんと撮影しているようです(朝昼晩で同じモデルを使っている)。シンプルですが、細部まで良く作り込んでいる秀作です。“血糖値は低血糖にならずに「どれだけ下げるか」から「どのように下げるか」へ”というのが、近年の常套句になりつつあるようです。血圧にも同じことが言えますね。
製品名:テネリア錠20mg
一般名:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物
選択的DPP-4阻害剤―2型糖尿病治療剤―
第一三共
田辺三菱製薬