テリパラチドBS/国内初の骨粗鬆症治療薬バイオシミラー

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国内初の骨粗鬆症治療薬バイオシミラーをより多くの方へ

▼テリパラチドとは?

「テリパラチド」は、骨形成促進薬である「フォルテオ」のバイオ後続品(BS)です。骨粗鬆症の治療に用いられています。テリパラチド(遺伝子組換え)製剤としては、日本初のバイオシミラーとなります。

従来の骨吸収抑制剤とは異なり、新しい骨の形成を促進し、骨微細構造を再構築するという仕組みです。骨粗鬆症で減った骨の量を増やし、もろくなった骨の中の構造を再構築して骨を折れにくくします。主に「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」において、広く使われています。

▼テリパラチドの特徴

「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」において、「テリパラチド」の骨密度の上昇効果、椎体骨折及び非椎体骨折の抑制効果は、いずれも有効性の評価基準【A】(上昇効果がある、または抑制する)とされており、以下の患者に使用が推奨されています。

・他の骨粗鬆症治療薬による治療を行ったにもかかわらず骨折を生じた患者
・高齢で複数の椎体骨折や大腿骨近位部の骨折を生じた患者
・骨密度低下が著しい患者

▼骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、加齢などにより骨の吸収と形成のバランスが悪くなり、骨がスカスカになる病気で、腰痛や背中の痛みを伴います。年配の方は骨折しやすくなります。特に女性の高齢者は、女性ホルモンが少なくなることで「閉経後骨粗鬆症」という病気になりがちです。また、骨粗鬆症が進行して寝たきりの状態になると、高齢者の生活の質を著しく低下させる可能性があり、早期治療が必要と言われています。

骨粗鬆症の治療薬としては、カルシトニン製剤、ビスホスホネート製剤、活性型ビタミンD3製剤、女性ホルモン製剤、選択的エストロゲン受容体調整薬(SERM)、ヒト甲状腺ホルモン(PTH)製剤、イプリフラボン製剤、タンパク同化ホルモン製剤などが使用されています。

「テリパラチド」は、大腸菌を用いた遺伝子組換え技術により産生されたポリペプチド(多数のアミノ酸が結合した化合物)で、ヒト甲状腺ホルモン(PTH)製剤に分類されます。

強い骨強度増加作用と高い骨折予防効果で、骨粗鬆症の治療に大きな変化をもたらしたヒト甲状腺ホルモン(PTH)製剤ですが、一生で最長2年間しか使えないことが課題です。これは投与開始後、骨形成の亢進に遅れて骨吸収も亢進するためで、はじめに骨吸収抑制薬で治療し、最後の切り札として、骨形成を促進するPTH製剤を使用するというのが骨粗鬆症治療の基本となっています。

▼骨粗鬆症の治療には長い期間が必要

高齢者の場合、古い骨が新しい骨に置き換わるまでに時間がかかるため、骨粗鬆症の治療には長い治療期間が必要となります。そのため、途中で治療を諦めてしまう患者も少なくありません。

骨粗鬆症の治療薬は、ある程度長期間使い続けなければ骨密度向上の効果が十分に得られません。薬の特性に併せて休薬をするケースでも、必ず専門医の判断に基づいて行なうことが重要です。

▼テリパラチドの副作用・注意点

起立性低血圧、めまいがあらわれることがあります。高い所での作業、自動車の運転、機械の操作など、危険を伴う作業を行う場合は、注意が必要です。

主な副作用として、吐き気、上腹部痛、頭痛などが報告されています。 このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。 また、吐き気や嘔吐、便秘、眠気、筋力低下などの症状が認められた場合、持続性の血中カルシウム値の上昇が疑われますので、速やかに医師の診察を受けてください。

まれにショックや、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失があらわれることがあります。その他に血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、気分が良くない、吐き気、顔面が蒼白になる、冷や汗が出るといった症状があらわれる場合があります。「テリパラチド」の注射後30分はできるだけ安静にしておく必要があります。

▼他の注射剤との違い

骨粗鬆症の注射製剤としては、ビスホスホネート薬の「ボナロン(アレンドロン)」や「ボンビバ(イバンドロン)」があります。「ボナロン」の注射剤は、4週に1回の“点滴静注”薬です。「ボンビバ」は1ヵ月に1回の注射です。一方、PTH製剤の「テリパラチド」の場合は、1日1回の注射です(投与は最大24ヵ月間まで)。「ボナロン」は大腿骨近位部骨折の抑制効果が認められていますが、「テリパラチド」と「ボンビバ」は大腿骨近位部骨折に対しての抑制効果が認めれていません。大腿骨近位部骨折は、寝たきりの原因にもなりかねない高齢者にとっては深刻な骨折です。

【ボナロン、ボンビバとの比較】
製品名 骨密度 椎体骨折 非椎体骨折 大腿骨近位部骨折
テリパラチド 上昇効果 抑制する 抑制する 抑制報告無
ボナロン 上昇効果 抑制する 抑制する 抑制する
ボンビバ 上昇効果 抑制する 抑制報告有 抑制報告無

▼その他の骨粗鬆症治療薬






▼バイオ後続品(BS:バイオシミラー)とは

バイオ後続品(BS:バイオシミラー)とは、遺伝子組み換え技術で創られるバイオ医薬品のことです。2009年3月、厚生労働省は“後発医薬品”いわゆるジェネリックとは区別して“バイオ後続品(BS:バイオシミラー)”という新たな分類を定めました。分かりやすく言うと、バイオ医薬品のジェネリックということです。日本国内では、2009年に成長ホルモンの「ソマトロピン」(先発品はファイザーの「ジェノトロピン」)が、初めて承認されたバイオ後続品となります。

バイオ後続品は、先発品とは別の製薬会社によって開発されるため、宿主や培養方法に違いがあり、完全に一致した製品は造れません。その複雑な分子構造と特殊な製造過程ゆえに、先発品と異なる部分が出る可能性が高くなります。一般的な後発品医薬品(ジェネリック)に較べて、かなりハードルが高い製剤です。

そういうこともあって、一般的なジェネリックとは区別して“バイオシミラー”と呼んでいます。シミラーとは英語で“Similar:類似した”という意味で、やはり構造上の相違が懸念されているための名称です。

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、骨のタワーマンションで生活する人々。シニアの方々の趣味や日常を明るく楽しく表現しています。“骨のタワーマンション”というアイディアが秀逸です。鉄骨のような梁を描くことで、強度の高い建物(骨)という雰囲気を出しています。私が見た骨粗鬆症治療薬の中で一番良いビジュアルだと思います。

製品名:テリパラチドBS皮下注キット600μg「モチダ」
一般名:テリパラチド(遺伝子組換え)[テリパラチドブ後続1]
骨粗鬆症治療剤/ヒト副甲状腺ホルモン製剤
持田製薬
2018年12月10日発売

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