ゾシン/2つの成分を配合した抗生物質

おかげさまで、ゾシンは一周年を迎えました。

▼ゾシンとは?

「ゾシン(略称:タゾピペ、略号:TAZ/PIPC)」は、緑膿菌感染症を治療するための抗生物質です。2015年度の時点で、抗生物質の中で一番売れています(2位はクラビット)。

ピペラシリンとタゾバクタムという2つの有効成分が合わさった薬であり、ピペラシリンはペニシリン系抗生物質、タゾバクタムはβ-ラクタマーゼ阻害薬と呼ばれる種類の薬です。

▼ゾシンの特徴

「ゾシン」は多くの細菌に効果を示しますが、「ゾシン」最大の特徴は、ペニシリン系抗生物質の中でも緑膿菌に効果がある、ということです。人の場合、細胞の周囲は細胞膜で覆われていますが、細菌の場合は、細胞膜の周囲をさらに「細胞壁」と呼ばれる強固な壁が囲んでいます。細胞壁がなければ、細菌は生存することができません。「ゾシン」は、この細胞壁合成を阻害することで細菌を殺傷します。

▼広域抗菌薬の使用が全体の約80%

幅広く有効な第3世代セフェム系や、フルオロキノロン系、マクロライド系、カルバペネム系といった抗菌薬の使用割合が、日本では抗菌薬全使用量の約80%を占めており、この非常に高い割合を厚生労働省は問題視しています。抗菌薬は風邪に効かないばかりか、副作用が増えるという報告があるにも関わらず、風邪に抗生物質が効くと考えている患者が多いのが実情です。また、抗生物質を最後まで飲みきらない患者が37%も存在するという調査結果も報告されています。医療費圧迫の問題や、耐性が出来て肝心な時に抗菌薬が効かなくなるおそれなどを考えると、広域抗菌薬の使用を減らす施策が必要なのかもしれません。

▼主な抗菌薬(抗生物質)




▼ゾシンのジェネリック、適応追加

「ゾシン」のジェネリック(後発品医薬品)である「タゾピペ配合静注用」ですが、2017年8月末に効能・効果、用法・用量の追加承認を取得しました。

追加されたのは“深在性皮膚感染症”“びらん・潰瘍の二次感染”です。今回の適応追加で、ほぼ先発品と同じ適応となりました(小児の発熱性好中球減少症を除く)。「ゾシン」のジェネリックは、武田テバやMeiji Seikaファルマが発売しています。【追記:2017年9月】

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルイメージは、巨大な像と世界地図(地球)。ゾウは自分の体重と身体の内部からの圧力を支えるために、しわしわの厚い皮膚で覆われています。この特徴のある鎧のような皮膚を「細胞壁」のイメージと繋げているのではないかと想ゾウします。

一般名:タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム(TAZ/PIPC)
製品名:ゾシン
βラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤
大正富山医薬品
大鵬薬品好評
富山化学工業

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