ランタス/日本人5223人のエビデンス発表

発表します! ランタスを用いた治療(BOT)に、日本人5,223人のエビデンス

5,223人の日本人を対象とした大規模調査によって、ランタスを用いたBOTの有用性が確認されました

日本人を対象とした大規模調査の結果、経口血糖降下薬(OHA)で治療中にもかかわらず、HbA1cが7.5%以上の十分な血糖コントロール(HbA1c値)の改善が見られない2型糖尿病患者5,223人に対し「ランタス」を併用したところ、“ランタスBOT”はHbA1c値を有意に改善し、また空腹時血糖値のみならず、随時血糖値も有意に改善することが示されました。

5,223人=ランタス特定使用成績調査「ALOHA Study」登録症例数
BOT=Basal supported Oral Therapy:経口血糖降下薬に基礎インスリンを追加投与する併用療法

▼ランタスとは?

「ランタス」は、遺伝子組み換えによって創られたインスリン注射薬です。世界141ヶ国において承認されています。身体の基礎的なインスリン分泌を補うために糖尿病患者に使用します。効き目が続く「持効型」に分類されるインスリン製剤で24時間安定した効果が期待できます。

1日1回就寝前に投与する場合が多いようですが、朝に投与する場合もあります。患者が日中一番安定しない時間を狙って作用させるために、作用時間を逆算して投与するのが一番効果的だと言われています。

インスリンには、生理的な血糖変動を安定させるために常に分泌され続ける基礎インスリンと、食後の血糖上昇を抑制するための追加インスリンの2種類がありますが、「ランタス」は、基礎インスリンを補充するものです。

▼インスリンとは

インスリンは、膵臓に存在するホルモン分泌細胞の塊である膵島(ランゲルハンス島)のβ細胞から分泌されるペプチドホルモンの一種で、血糖を下げるホルモンです。人の膵臓は、約200単位のインスリンを保有していて、健常人の1日のインスリン分泌量の50%が常時分泌される基礎分泌で、残りの50%が食事に反応して分泌されるインスリンとなります。基礎分泌量は1日当たり18~32単位(0.7~1.3mg)です。

▼ランタスとランタスXRの違い

「ランタス」と「ランタスXR」は、同じ有効成分のインスリンアナログ製剤です。違いは有効成分の濃度にあります。「ランタスXR」は、「ランタス」の有効成分の濃度を3倍にした製剤です。XRとは、持続的な溶解を意味する“eXtended Release”という言葉が基になっています。どちらも1日4~80単位の範囲で使用する、という用法は同じなので、「ランタス」と「XR」とでは、1回の注射量が変わりることになります。濃度の高い「XR」を使った方がインスリンの血中濃度が安定し、血糖値がピークのない平坦な推移をすることが報告されています。

「ランタスXR」は「ランタス」よりも吸収が穏やかなので、より安定した血糖コントロールが期待できるというわけです。なお、2003年12月に発売された「ランタス(Lantus)」は、米国での特許期限切れが近づいており、バイオ後発品(バイオシミラー)の発売が見込まれています(※追記:「インスリン グラルギン」として2015年8月に発売されました)。

▼他のインスリン製剤との違い

インスリン製剤には“中間型〜持効型(基礎分泌補充)”と“速効型〜超速効型(追加補充)”とふたつの“混合型”があります。「ランタス」は“持効型”で決まった時間に注射しますが、例えば「ノボラピッド」は“超速効型”で食直前に注射します。作用機序もそれぞれ異なります。

「ランタス」は、肝臓におけるグルコースの発生を阻害したり、筋肉や脂肪組織へのグルコースの取り込みを促進して血糖値を下げます。「ノボラピッド」は、膵臓のインスリンと、構造が少し異なるインスリンで、細胞のインスリン受容体に結合してブドウ糖の取り込みを促進し、血糖値を下げます。インスリン製剤によって、効果が発生するまでの時間や持続時間は異なりますので、インスリン注射は、人間の身体本来が持っているインスリン分泌と同じになるように使うことが大切です。

▼ランタスのバイオ後続品(BS:バイオシミラー)

▼広告のキービジュアル

広告のビジュアルは、ランタスBOTによる治療評価のグラフ。ランタスのキーカラーを基調に、記事広告風に仕上がっています。「ランタス」は世界で圧倒的に売れているインスリン製剤なのですが、日本では注射カートリッジのオプチクリック(現在発売中止)が不具合で自主回収となったり、国内では出遅れていました。この広告は、日本市場での巻き返しを意識した広告だと思われます。

一般名:インスリン グラルギン(遺伝子組換え)
製品名:ランタス
持効型溶解インスリンアナログ製剤
サノフィ

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